白鳥の湖

今朝も寒く、公園の池の水は凍りついていた。鴨に居場所がない。氷が張らなかった唯一の水面に固まっている。かもめは氷の上でじっとして動こうとしない。数がやはり少なくなっている。白鳥は相変わらずいなかった。ただ、散歩している人やカメラを持っている人は結構いて、口々にもう戻ってこないのかなとか会話していた。自分ももう合えないよう気がして、なんとなく気分も沈みがちに歩いていると、まわりが突然”おお～”とか”ああ～”とか感嘆符を上げて、空を指さす！そこにはなんと六羽の白鳥が編隊を組み飛んでくるではないか！おお～これぞ神の光景か！うつくしいぞ！白鳥が空を飛んでいるのを初めてみた！なんだか綺麗で優雅だ！池に降りたいのだが、氷結しているので降りられず、氷結していない水面を捜しているのだが、見つけられないのだ。
池の向こう岸のおじいさんやらおばあさんやら、みんな手をあげ”おかえり～”なんぞと叫んでる！オレも心の中で叫んでしまった！
なんということか、この日に限って携帯を持って来てない！この光景を写メールできればと思ったが後の祭り！白鳥は池に降りず、どこへとともなく飛んでいってしまった。
一体どこへ行くんだろう？あまりに優雅だ。
もう公園のおじいさんもおばあさんも呆然！余韻冷めやらずといった風情であった。
もうここは白鳥の湖である！
そして飛んで行ったのは白鳥ではなく、偶然、昨晩聴いていたストラビンスキーの火の鳥だ！
善福寺公園に春は来る！もうそこに来ている！春の祭典は間じかだ～！！